5月の初めごろ、
タロウのお嫁さんの、星子さんから、メールが来た。

母の日の13日、二人で休みが取れます。
もし、お母さんが外出できるなら、
どこかへ行きませんか。

すぐ返事をした。

じゃあ、茨城(花子さんの実家)へ、
お墓参りに行こうか。



昨年、結婚が決まったときから、
タロウと、星子さんは、
茨城のお墓参りに行きたがっていた。

タロウは、茨城のおじいちゃん、おばあちゃんに、
すごく、かわいがられた。
お二人とも亡くなって、お墓に眠っている。
報告と、感謝を伝えたいと、思っているのだろう。

 

花子さんにとっても、



もしかしたら、、、



これが最後の、お墓参りかもしれない。




すぐに決定し、
13日の日曜日、
お墓参りに行ってきた。


ただ、強行スケジュール。

タロウは、休みと言っても、
特養の夜勤明け。
前日の16時から仕事をして、
10時に、仕事が終わる。

花子さんは、夕食が18時なので、
それまでに、病院へ戻らなければいけない。


道路地図と、にらめっこをしながら、
計画を練る。

何とか行けそうだ。

9時に、星子さんを迎えに行く。
そして、花子さんの病院へ。

支度を終えて、
9時半出発。

10時に、タロウの特養へ。
一番近くの、東名高速のインターから、
首都高、常磐道、石岡インター 。
途中で昼食をとって、
1時にお墓参り。

すぐ近くの、3人のお兄さんに、
 (花子さんは、4人兄弟の、末っ子一人娘)
挨拶をして、
3時に出れば、病院へ戻れる。
 
 
 
当日、病院を出る時、
晩御飯の確認をしたら、
2時間までは取って置けるらしい。
20時までに帰り、僕が食べさせてあげれば、
大丈夫。

余裕だ(^.^)

 
花子さんを乗せ、
タロウの特養へ。
 
なんと、カーネーションの花束を渡された。
 
花子さん、ご機嫌だ。
 
茨城に行くことも、お墓参りすることも、
理解はしていない。
 
でも、大好きなお出かけと、ドライブ。
後ろには、タロウ達が乗っている。
天気も良く、快適。
 
幸せな表情が、続いていた。
 
高速では、乗り心地が良く、ずっと寝ている。
いびきまで出て、熟睡。
 
休憩所では、トイレに一緒に入り、気持ちが良い。
 ( その日は、帰り着くまで、一度もオムツを
   濡らさなかった  )
ランチ、ドリンク、おやつ、飴。

 
花子さんの笑顔は、伝染する。
 
 
 
花子さんの、生まれ故郷に着く。
まずは、お墓参り。
 
周りは、子供の時に、ずっと遊んだ山だ。
手をつないで、4人でお墓まで行く。
足元の段差に気をつけながら、
花子さんは、無表情だ。
 
お線香に、火をつけ、お花を供える。
 
花子さんの後ろに回り、
 
さあ、お父さんと、お母さんのお墓だよ。
お祈りをしよう。
 
と言って、背中から手を回し、
花子さんの両手を合わせた。
 
僕も手を合わせ、
 
花子さんを見守ってください。
タロウと、星子さんを宜しくお願いします。
 
と、心の中で念じ、祈った。

花子さん、手を合わせながら、
下を向いている。
何かを、祈っているようだ。



そして、しばらくすると、
花子さんの口から、

ありがとう

と言う言葉が出た。



エッ!!
なに!?

花子さんを見ると、
目から、いっぱい涙を流していた。



何が起こったんだ?
どうした??

花子さんは、ボロボロと、涙を流している。

花子さんに、何が降りてきたのか。

思いもしない、
考えもしない言葉に、
驚く。


ありがとう


ふる里が、花子さんを呼び起こしたのか。

もしかしたら、
お父さん、お母さんと、話が出来たのか?

花子、がんばれよ

と、言ってもらえたのか。



花子さんの感情に嬉しくなり、
僕も、一緒に涙が、あふれてきた。


正面にいた星子さんに聞いたら、
手を合わせたと同時に、
花子さんの目が潤んだらしい。

そして、出てきた。

ありがとう

なんという、奇跡なんだろう。




お墓を後にすると、
花子さんは、もう、
何事もないような笑顔に戻っていた。

でも、僕たちの心に刻まれた、
一言。

忘れることはできない。




お墓参りは、
これが最後かもしれないしれないと、
考えた自分が、恥ずかしい。


これからも、何度も、何度も、
どのような状態になっていても、
連れて行く。


お墓参り



       
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