しばらく前から、
お袋は、僕のことを

おにいちゃん

と呼ぶ。


これは、僕には弟がいるんで、
頼りにする呼び名と思っていた。




僕は、毎日夕方、
お袋のデイサービスの帰りに合わせ、
生協の宅配弁当を温め、
みそ汁を作り、
お新香を添えて、
晩御飯の用意。

お袋にエプロンをつけ、
テーブルのセッティング。

トラブルはたくさんあるものの、
まだ、一人で食べられる。



食べ始めて落ち着いたのを確認し、
花子さんの病院へ行く。


笑顔が出るのを楽しみにしながらの
夕食介助。


19時前後に帰ってくる。



お袋は毎回、
玄関から降りて
コンクリートの土間に座り、
ドアを叩いている。

車を駐車場に入れると、


おにいちゃ~ん!!

おかあちゃ~ん!!

おとうちゃ~ん!!



の声が聞こえる。



いつも、

あれほど言っているのに!!

土間に降りたら、危ないだろう。

と思って、ドアを開ける。


一度は、

降りた土間から、
廊下に上がろうとしていたが、
立ち上がることが出来ないので、
足だけ廊下のふちにかけ、
頭と手は土間。

転がって、頭を打ちそうになっていた。

危機一髪だった。



僕の帰りを待っていてくれる。

一人ぼっちの不安もあり、
少しでも早く会いたいので、
土間に降りて、迎えようとしている。


家族会で相談があれば、

本人の気持ちを大事にするのが大切です
あなたのことを待っているので、
「ありがとう」と言えば落ち着きますよ。

なんて、アドバイスをする。





でも、いざ、その場になると、
冷静になれない。




なんで、こんなとこに居るんだ!!
何度も言っているじゃないか!!
冷えるし、危ないだろう。
怪我をしたらどうするんだよ!!!


と、つい、声を張り上げてしまう。



これは、一番いけない対応。
本人の気持ちを大事にすれば、
言ってはいけない言葉。

でも、毎日の疲れから、
つい、
言ってしまう。



偉そうなことを人には言うけれど、
お袋には、初心者マークなんです。




そしたら、

お袋。


たった二人の兄弟なのに、
そんな言い方ないでしょ!


と言った。



僕のことを、息子ではなく、

10代の頃に他界した
実の兄。

と思っているようだ。




なんだよ。

これからは、息子じゃなく、
兄貴として対応するのか・・・

お袋の、お兄ちゃんかよ・・・



あらためて、
認知症に向き合うことは、


奥が深い。


では、晩御飯。
たまたま、値引きのサーロインがあったので、
贅沢に、ニンニクソースのステーキにした。

サーロインステーキ 

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コメント
理想と現実のギャップは大きい
介護形態のいかんを問わず、理想の介護と現実の介護が一致しているケースはどのくらい存在するのでしょう。
理想と現実のせめぎあいの中でおりあいをつけて介護を継続している方が多いのだと思います。

私は「介護をやり遂げること」と「自分自身が生き残ること」を最優先にやってきました。
「偏見と闘う」行動は、まず周囲の理解は得られません。
私は写真展という場で、正々堂々と「認知症と家族に理解ある社会の実現を切に望む」と訴えましたが、私が当時望んでいた社会に近づくのに10年かかりました。
私が今快復途上にいられるのは、時代のおかげだと思います。

スリブリさんの介護も、軌道修正の時期かもしれません。
心身の健康をまず確保されることが大切なのではないかと思います。
私の言葉が気に障ったらごめんなさい。
ただ多くの方がスリブリさんの健康を案じていると思いますので。
2016/01/14(Thu) 10:03 | URL | miki | 【編集
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