今は、2日に一度、病院へ行っている。
 
花子さんの、明るい表情に、
いつも触れている。
 
なんで、こんなに馴染めるように、
なったんだろう??
 
不思議な気持ちで、いっぱいだ。
 
あんなに、怒って、当り散らして、
不穏状態だったのに。 
 
すべてを拒否し、抵抗をしていた。
 

 
僕もそう。
 
心配ばかりあふれ、
辛く、悲しかった。
 
入院をする時の、激しい抵抗。
拘束をされた、状態。
隔離室での、不安な表情。
狭い部屋で、絶えず行っていた、徘徊。
 
もう、だめかと・・・思った。
 
花子さんの置かれている状態に、
哀れさも、感じていた。
 
 
 
入院の際、
僕の不安な気持ちを、Dr. に伝えた。
花子さんへの、接し方も、話した。
 
Dr.から
 
ここのスタッフは、プロですから、
任せて下さい。
 
そして、1週間おきの、
徐々に行われた、開放。
 
 
 
心配していたことが、全くなく、
嘘のようだ。
 
一か月後の、今、
すごく、明るい。
  

 
見舞いに行くのは、
仕事が、終わってからの、
夕方が多い。
 
ちょうど、晩御飯で、みんな、リビングに集まる。
 
 
 
認知症専門病院なので、
症状は、まちまちだ。
 
無表情の人が多い。
 
いつも、声を出している人も。
 
絶えず、怒っている人もいる。
 
ずっと、机をたたいている人も。
 
 
 
花子さんは、
いつも、ケラケラ笑っている。
 
箸が転がっても、おかしいみたいだ。
 
 
看護師さんも、そんな花子さんを見て、
声をかけてくれる。
 
奥様
 
と言われたり、
 
お嬢様
 
と、呼ばれる。
 
そのたびに、
おどけて、
 
は~~い。
 
と、返事する。
 
楽しそうだな。
 
たのしいよ。
みんな、いい人ばっかり。
やさしいんだよ。
 
 
 
 
二人で、病棟を散歩した。
花子さんは、病室を、覗いて回る。
 
ベッドに寝て、点滴をしている女性がいた。
かなり、年配だ。
 
その方が、花子さんを見て、
手を振った。
 
花子さんも、手を振る。
にこにこしながら、
 
そんなことを、してるの。
 
うん、 
 
とうなずいた。
 
たいへんだね。
がんばってね。

 
その、女性が、
 
バイバイ
 
と言って、手を振る
花子さんも、
 
バイバイ
 
と言って、手を振っていた。
 
 
 
 
看護師さんが、患者さんを
お世話をしている。
 
花子も、お手伝いをすれば。
 
それはできない。
じぶんのことで、いっぱい。
 
 
 
病棟を出る時は、
まだ、
 
花子さんと別れる 
 
という印象を
持たせないようにしている。
 
帰るね。
 
また来るよ。
 
は、言わずに、
さりげなく、出ていく。
 
 
 
見舞いに行って、顔を合わせた時、
 
あれ、どこにいたの。
 
とか、
 
また来たの。
 
なにしてたの。
 
と言う。
 
その時々で、
僕と会った印象は、違うようだ。
 
別のところにいる意識は、
あまりない。
 
 
 
 
先週の、金曜日。
中学時代の、親友と、忘年会をやった。
男性6人、女性3人。
 
誘われた時は、
自由な身なので、
二つ返事で、出席の連絡。
 
この連中は、いつも、夜遅くまで、飲む。
最後は、4人残り、朝の3時半に、解散。
中学の同級生なので、近くに住んでいる。
歩って、帰れる距離だ。
 
いつもながら、たくさんの叱咤激励をもらう。
 
その中で、
 
今、スリブリが、
奥さんのために、良いと思って
やってることと、
奥さんが思う、
良いことは、違うよ。
 
スリブリは、家で一緒に暮らした方が
良いと、思っているかもしれないけど、
奥さんは、今の生活の方が、
安心出来てるのかも、しれないぞ。
 
 
 

 
思うことは、たくさんある。
 
 
まだまだ、これからだ。
先は、長い。
良い道を、見つけていきたい。
 
 
 
   
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コメント
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2010/12/22(Wed) 08:53 |  |  | 【編集
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2010/12/22(Wed) 23:13 |  |  | 【編集
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2010/12/23(Thu) 00:06 |  |  | 【編集
母の場合
ウチの母は以前祖母が生きていた頃、祖母に対してものすごいもの盗られ妄想がすごくて母は祖母を憎んでいました。

今、母は私と二人で暮らしていますが、物盗られ妄想はまったくありません。

毎日毎日私は母の不安な気持ちが落ち着くよう、『マミーのことだーいすき』と何度も繰り返して言い、一日に何度もハグをします。
そして『えらいねー』、『可愛いねー』、『上手、上手』と褒めちぎります。

どうせ忘れてしまうのにと思うかもしれませんが、なんていうのか、認知症の人は起こったことは忘れてしまっても、そのとき抱いた感情が心の奥に残ってる気がするんですよ。

私と母の関係は、母が認知症になる前よりも今のほうがすっと良いものになりました。

花子さんが退院してきたら、ぜひ試してみてください。
2010/12/23(Thu) 23:40 | URL | kaoru | 【編集
良かったような、寂しいような、ですね。
スリプリさん、こんばんは。
私の母もアルツハイマーで、2年前から施設でお世話になってます。

初めのうちは、可哀想で罪悪感でいっぱいでした。
でも、今は、世話する方達が「プロ」で「他人」であることが、
母にとって良い点がとても多いことがわかりました。

例えば、一日何回も失禁しても、世話する人は3交代だから、「あ~また!
朝から何回目? もううんざり!」ってことにはなりません。(シーツも
業者さんが洗いますし)

ひどい言葉をかけられても、他人なので、私ほどショックを受けません。

母が不安定になったり攻撃したりすると、私はどうしても動揺していました。
それが母をますます不安定にさせていたと思います。

でも、施設では、母の言動がどうあれ、周りはいつも落ち着いています。
それが、結果的には母を安心させ、安定させることになったようです。

花子さんもそうではないかな、と思います。
スリプリさんは一緒に暮らして世話をしてあげたいと思っておられるでしょう
けど、今のように時々会う恋人同士のような関係も良いかと思いますよ。
2010/12/24(Fri) 01:12 | URL | YN | 【編集
NHKのニュースで知りましたが、アルツハイマーの新薬が承認されましたね。
早ければ2月にも使えそうです。
日本は承認までの時間(年月)が長すぎますね・・
2010/12/24(Fri) 22:04 | URL | moku | 【編集
おはようございます
お久しぶりに伺いました。

共倒れになってしまうのでは…と心配でしたが…落ち着かれており、貴方のご様子にも余裕を感じられます。
本当に良かったです。
2010/12/25(Sat) 08:03 | URL | ナイトイーグル | 【編集
よかったですね
スリブリさんのぎりぎりな状態が
以心伝心で花子さんにも伝わっていたのでしょうね。
ランちゃんも精神的に落ち着いて
ほっとしていることと思います。
ご両親にも目が行き届きやすくなったぶん
状況がよくなるかもしれません。
花子さんも病気のせいとはいえ
自分の嫌なところを見られるのは
望んでいないと思います。
穏やかな、よいお年をお迎えください。
2010/12/25(Sat) 12:53 | URL | サボ | 【編集
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