先週、家族会の散策で、鎌倉へ行ってきた。
 
花子さんには、ずいぶん前から、
 
今度、皆と、鎌倉へ、行くことになったよ。
 
うれしいな。
みんな、いいひとだよね。 
 
 
 
花子さんへの殺し文句は、
 
鎌倉へ行こうか。
 
江の島へ行こうか。
 
箱根へ行こうか。
 
山下公園へ行こうか。
  ( 横浜港にある公園。
   近くに、港の見える丘公園、外人墓地、
   中華街、元町もあり、ランを連れて行ける、
   我が家の、お出かけコース ) 
 
これを言うと、いつもニコニコ顔だ。
  
 
 
もう一つが、
花子さんが、自分から言う、
 
いいひとだね。
 
花子さんは、入院してから、
病院看護師、スタッフ。
   
家族会のメンバー 
 
介護にかかわる人たち、
 
自分にとって、優しく接してくれる人を、  
いい人たち」として、心を許している。
 
 
 
この二つを僕が、しょっちゅう言い、
花子さんの、頭に焼き付けたので、
すごく楽しみにしていた。
 
まあ、話すたびに、
初めて聞く、驚きを示すので、
それも楽しみだったが。
 
 
 
花子さんと僕にとっては、
鎌倉は、青春時代の、思い出の場所。 
  ( そうだ、そのうち、「昔話 3」以降を
    書きたい )
 
電車で行くつもりだったが、
時間と、途中のトイレもあり、
車で、高速道路を走った。
 
すぐ近くの街なのに、
走っている間に、山の中を抜け、
テンションが上がって来た。
 
待ち合わせ時間に少し遅れ、
皆さんとは、途中で合流。
 
数か所のお寺を回り、
鎌倉の山のハイキングコースへ。
 
鎌倉は、 南が海、
東、北、西は山に囲まれ、
陸の要塞。
敵に、攻められにくい地形から、
源頼朝が、鎌倉幕府を置いた。
 
ハイキングコースとはいえ、
山の尾根伝いは、結構厳しい道がある。
 
昔々、鎌倉の山道は、
花子さんと、よく行ったものだ。
 
その中でも、今回は、一番短くて、
街中に近いコース。
今回の企画をしてくれたメンバーが、
安心して、歩ける場所を、
選んでくれた。
 
 
 
でも、
花子さん、
 
ダメだった・・・
 
 
 
花子さん、
山道の歩き方を、忘れてしまった。
 
山の中は、木の根が、階段のようになっていて、
高低、幅に差がある。
 
足を上げることが、難しかった。
上げた足を、どこに置くかわからない。
段が、見えない。
 
ようやく、段の上に足を付けるが、
付けた足に、体重を移し、
反対側の、下にある足を
持ち上げことができない。
 
健常だと、階段の上り下りは、
無意識に、片足ずつ体重移動をして、
あがっていく。
 
認知症が進むと、難しくなる。
前方に、わずかな段差の壁があると、
足の出し方もわからないし、
出した足を、どう踏ん張るかがわからない。
交互に、足を出すこともできない。
 
 
仕方なく、花子さんに、
段になった根のところに、後ろ向きで、
座ってもらう。
 
僕は、背中に回り、持ち上げる。
二人の方に、足を支えてもらう。
 
また、道によっては、僕が、おぶる。
 
サポーターさんと、片足ずつ持ち上げて、
歩く動作を、思い出させる。
 
花子さんも、無理な体勢だったんで、
腰を痛がる。
 
何箇所かあった、難所をようやくすぎ、
制覇することができた。
 
サポーター、介護家族、そして、
男性のご本人。
本当に、お手数をかけてしまった。
転んで、ズボンを汚した人もいた。
 
今回は、総勢20名の参加。
7組のご夫婦。
本人だけで参加された方が、2名
4人のサポーター。
 
皆さん、僕たちが遅くなっても、
待ってくれる。
ようやく追いつくと、
拍手と、笑顔で迎えてくれる。
 
中には、僕たちの騒ぎを見て、
落ち着かなくなった、ご本人も、
いたかもしれない。
感情が、伝わってしまうこともある。
 
本当に、申し訳なく、
そして、大変、ありがたかった。
 
 
 
今回は、僕の見込み違い。
判断ミスで、迷惑をかけてしまった。
 
花子さんは、4人兄弟の末っ子、一人娘。
近所の従兄弟も、皆、男。
 
兄さんたちの後を追っかけて、
いつも、山で遊んでたらしい。
だから、足は丈夫で、
険しい道も、なんのその。
 
僕が、甘く見てしまった。
 
半年間入院していて、
運動と言ったら、
病院内の廊下を、徘徊  歩行程度。
 
外を歩くのは、絶えず、手を繋いでないといけない。
 
考えてみれば、難しかったな~
 
でも、この家族会の人達は、
それらをすべて知ったうえで、
お互い様と、
誘ってくれる。
 
結果は大変だったけど、
無事に楽しめたことに、
甘えよう。
 
 
 
帰りの車の中で、
花子さんと話をする。
 
どうだった?
 
たのしかったね~
また、いきたいね。
 
大変だったことは忘れて、
皆と、ハイキングできたことが嬉しかったようだ。
 
 
病院に戻って、びっくり。
看護師さんが、
 
あら、
花子さん、お帰りなさい。
今日は、どちらへお出かけ?
 
鎌倉です。
 
なんと!!
行った場所を、答えた。
 
これまで、どこに出かけても、
病院へ着くと、すべて忘れていた。
 
ランと遊んだことも、忘れる。
 
それが、覚えていて、
言葉に出して、会話ができた。
 
 
やっぱり、鎌倉は、良い。
 

 

 
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コメント
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2011/05/29(Sun) 23:59 |  |  | 【編集
なんてすてき
花子さんの一言が疲れを吹っ飛ばしてくれたのではないでしょうか。
スリブリさん、みなさんお疲れ様でした。
2011/05/30(Mon) 17:49 | URL | みつこ | 【編集
涙がでました。
少し前から読ませて頂いてます。
特養に勤務しておりますが、どこに行ってきたか答えられたことに対して涙がでました。
きっと楽しくて、暖かくて、居心地のいい仲間と空間だったんですね。
施設に浸かるとそんな当たり前の日常の愛情に触れた時に感動と自分の非力を感じます。

これからも読ませて頂きます。よろしくお願いします。
2011/05/30(Mon) 23:00 | URL | おかばやしゆかり | 【編集
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