最近、講演を頼まれることが多い。
毎月、2回はあるかな。

僕は、専門職ではないし、
医師、学者、研究者でもない。

ただの、一介護家族。
専門的なことは、教育を受けた人に
到底おぼつかない。

体験から得た知識と、
失敗を繰り返し、ようやくわかった介護の仕方、
経験から知った、より良い方法、
必要に迫られ、そこから調べた制度・・・

そんな経験は数限りなく知っている。


花子さん、親父、お袋の介護、
家族会とのかかわりで、多くのことを学んだ。

僕が困ったときに、
たくさんの人に助けてもらったので、
恩返しのつもりで、
できる限り、受けさせてもらっている。



これまでの講演、セミナーは、
家族会を通しての依頼がほとんど。

専門職向けの、介護家族の思い。
地域包括支援センターが行う、
住民向けの、認知症対応の仕方。
認知症サポーター養成講座。
若年性認知症とは。
等々が多い。



今回、東京都大田区にある、
T大学看護学部3年生向けに、
「認知症を持つ療養者の在宅介護」
と言う項目で、
90分の、講義の依頼があった。

直接の依頼。

2年前、学生が卒業研究で、
「妻を介護する夫の困難と介護継続の原動力」
と言うテーマで研究をしていて、
僕のブログを見た教師から協力の依頼があり、
インタビューを受けた。
その縁で、今回講義。



大丈夫か?
先生は、僕の講演を聞いたことない。
大学生の授業だよ。
僕でいいの??




3年の学生110人。
これまでの、僕がする講演は、
30代から、僕と同年代、また、高齢の方が多い。

3年生と言えば、ちょうど成人式を迎えた年代。
しかも、ほとんどが、女子。



まあ、どんな講演会でも、
一つの経験しかないので、
どこも同じ介護体験の話と、
講演趣旨に合わせた色付。

90分で組み直せば何とかなるだろう。

逆に、僕の介護の話を、
若い人たちがどのように受け止めるのか
すごく興味がわいてきた。



先週、講義がありました。

春休み、終わりたて。
授業が始まって、3回目らしい。
午後13時15分から。


僕の学生時代を思い起こせば、
集中できない時間帯。


さて、どうなったか。




今回の講義を受けて、
本当に良かった。

皆さん、真剣に、真摯に僕の話を聞いてくれた。

花子さんとのエピソードの話では、
泣いている人が何人もいた。

メモを走らせている人も。

もちろん、居眠りも。

大学の講義で、
最後に拍手が起こったのには、びっくり。


後日、先生からレスポンスシートが送られてきた。
講義の後、出席確認とともに、
毎回、A5の用紙に感想を書く。

名前の部分は消して、
110人、全員のが送られてきた。



すべてを読ませていただきました。


学生の、正直な気持ちがつづられている。


授業で、学問として学んだ認知症。
中核症状と、周辺症状(最近は、BPSD)。
認知症の患者の対応。

それらのことが、
実際に介護者の口から聴くことができ、
考えが変わった。
と言う感想が多かった。


また、僕が絶えず伝えている、

「忘れても、心は生きている認知症」

「認知症に対する偏見と誤解をなくしたい」

「認知症の介護は一人ではできない。
 認知症を伝えることにより得られる、
 地域の助けが非常に重要」

「周りの人に優しくしてもらえると、
 自分も優しくできる。
 お互い様」


 
これらのことを受け止めてくれる感想が多かった。



今回の講義をお受けして、
本当に良かった。

これから、看護師、保健師、介護職に
たずさわる若い人たちに、

認知症になっても、豊かな感情は持ち、
まわりの、少しの助けがあれば
安心して、穏やかに暮らせる。


と言うのが、わかってもらえたかもしれない。

授業の中で教えてくれる認知症と、
体験から知る認知症は、全く違うと思う。

認知症の人と家族の気持ちをわかったうえで、
認知症を学んでもらえると、
本当に心強い。



大学、短大、専門学校、
看護、介護にかかわろうとしている学生に、
早い段階で、伝えることが出来ればと、
つくづく思った。



今回の講義は、
大学としては、初めてらしい。

介護家族を招いて、
授業の一つとして体験談を話させるなんて。

冒険だよな~

それを行った先生に敬意を表します。


お礼メールを頂いた。


来年もまたお願いします。


と、書かれていた。


講義の写真です。

講義



さて、晩御飯。
花子さんは、揚げ魚の酢豚風定食。

揚げ魚の酢豚風定食 

僕は、豚の生姜焼き、たっぷり。
お酒は、神奈川、熊沢酒造の、鎌倉栞

生姜焼き 


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コメント
先入観・偏見なしの認知症観を!
多くの家族がゼロからのスタートですよね。
私も体験のなかで認知症という病を学んできました。

私の介護が始まった2000年、写真展の2005年でさえ、認知症に対する偏見は根強く、個人差が大きかったですね。
2005年写真展とほぼ同時にスタートした認知症キャンペーンなどで認知症に対する知識が少しずつ社会に広まってきたとは思います。

私を苦しめた人の90%以上が私より年長者です。「頭の古い人」「頭のかたい人」の意識をかえるのは至難のわざです。
癌との大きな違いは「偏見の有無」ですね。癌は大変な病だと多くの人が認識しているし偏見もない。自分が一生無縁だと思っている人も少ないでしょう。認知症も自分は無縁だと言い切れないんですけどね・・・。

偏見がなくならなければいけないのは、認知症の人の人権を守るということはもちろんですが、認知症の人に寄り添って生きている家族の健康・命にかかわりかねない「ハラスメント」だからです。

これから医療や介護にかかわってくださる若い方々が、先入観なし・偏見なしで、認知症の人とかかわっていただけるとありがたいですね。
認知症を発症して人間として自分をつかさどっている能力が徐々に衰退していっても、人間としての尊厳と豊かな感情は残っている。かつて問題行動と呼ばれた周辺症状はこの認識の欠落から生じているんですよね。

家族は、「認知症そのものは治してあげられないけれど穏やかに生活できる生活の場を確保してあげたい」と願っています。
少しずつ少しずつ、理解と支援が進むことを願ってやまないですね。

スリブリさんの講演活動は大きな意義と影響力があるし、ご自身の心身の健康のためにもなっていると思います。
「無理のない範囲で」厳守です。
2015/04/26(Sun) 09:19 | URL | miki | 【編集
スリブリさん、格好いいですね!
教授に見えますよ(^^)

僕も大学生の頃スリブリさんみたいな方が来てたら真っ先に聞きに行きますよ

今は泣いてしまうと思います。

どこかでまた公演されるとき教えてくださいね、聞きに行かせて頂きたいです。
2015/04/27(Mon) 22:22 | URL | よっちn | 【編集
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